2007年05月
2007年05月24日
歯根型以前のインプラント
こんにちは、栃木県小山市 丹野歯科医院 丹野努です。
1940年代に入ると、ブレード型インプラントやサブペリオスチール型インプラントなどの技術が開発されていきました。
顎の骨を覆っていくる歯肉を骨から剥離して、骨の形を採り、その形のフレームを作り、それをまた歯肉と骨の間に戻し、歯肉が治った後に入れ歯をつけるという複雑なものでした。しかし、技術が難しく、大手術となるため、簡単にはできませんでした。
このインプラントが普及をしなかった原因として、科学的な根拠に欠けるということが挙げられます。成功と失敗が偶然に左右され、手術の結果が安定しなかったのです。
その後、インプラントの材料をサファイヤやセラミックなどの素材にして実験が行われましたが、同様の理由から普及に至らず、淘汰されていきました。
治療に関しては全て成功の基準が必要である。科学的に論拠があるかどうか、治療結果が追跡調査されて予知性があるかどうかが一番の問題なのです。その意味で、チタン以前のインプラントは、科学的根拠に欠け、失敗が多かったため普及しなかったのです。
現在のチタンの歯根型インプラントは、1982年にカナダのトロントで世界的な会議が開かれ、インプラントの成功基準が規定され、それに基づいて研究、開発、治療が行われてきました。その世界の研究者、歯科医師の努力の結果として、現在のチタン歯根型インプラントは、現在のように世界的に普及するに至ったのです。
1940年代に入ると、ブレード型インプラントやサブペリオスチール型インプラントなどの技術が開発されていきました。
顎の骨を覆っていくる歯肉を骨から剥離して、骨の形を採り、その形のフレームを作り、それをまた歯肉と骨の間に戻し、歯肉が治った後に入れ歯をつけるという複雑なものでした。しかし、技術が難しく、大手術となるため、簡単にはできませんでした。
このインプラントが普及をしなかった原因として、科学的な根拠に欠けるということが挙げられます。成功と失敗が偶然に左右され、手術の結果が安定しなかったのです。
その後、インプラントの材料をサファイヤやセラミックなどの素材にして実験が行われましたが、同様の理由から普及に至らず、淘汰されていきました。
治療に関しては全て成功の基準が必要である。科学的に論拠があるかどうか、治療結果が追跡調査されて予知性があるかどうかが一番の問題なのです。その意味で、チタン以前のインプラントは、科学的根拠に欠け、失敗が多かったため普及しなかったのです。
現在のチタンの歯根型インプラントは、1982年にカナダのトロントで世界的な会議が開かれ、インプラントの成功基準が規定され、それに基づいて研究、開発、治療が行われてきました。その世界の研究者、歯科医師の努力の結果として、現在のチタン歯根型インプラントは、現在のように世界的に普及するに至ったのです。
tannodentaln at 23:05│トラックバック(0)
インプラントを入れたわんちゃん
こんにちは、栃木県小山市丹野歯科医院 丹野努です。
骨にチタンがくっつくことを発見したブローネマルク先生は、これが何かに利用できないかと考え、歯に応用することを思いつきました。
いきなり人で実験する訳にはいかないので、先ず最初の実験に選ばれたのは、歯の抜けたビーグル犬でした。
最初は、いろいろな形のインプラントを試し、それぞれほどほどには上手くいったのですが、やはり本物の歯と同じような形体にしたいと考え歯の根と同じような形のインプラントを骨に埋入したところ、犬の顎の骨とチタンは本当に良くくっついたのです。
1960年から1965年にかけて行われたこの犬の実験によって、チタンのインプラントは歯周病にならず、しっかり硬いものも噛めるまでに骨が密着されることが証明され、大成功だった。
犬の死後、そのインプラントを調べてみると、100kgの力で引っ張っても抜けず、インプラントの周りには100万分の1mm近くまで骨が入り込んでいました。
こうして、チタン製のインプラントの有効性が動物実験により実証されたのでした。
骨にチタンがくっつくことを発見したブローネマルク先生は、これが何かに利用できないかと考え、歯に応用することを思いつきました。
いきなり人で実験する訳にはいかないので、先ず最初の実験に選ばれたのは、歯の抜けたビーグル犬でした。
最初は、いろいろな形のインプラントを試し、それぞれほどほどには上手くいったのですが、やはり本物の歯と同じような形体にしたいと考え歯の根と同じような形のインプラントを骨に埋入したところ、犬の顎の骨とチタンは本当に良くくっついたのです。
1960年から1965年にかけて行われたこの犬の実験によって、チタンのインプラントは歯周病にならず、しっかり硬いものも噛めるまでに骨が密着されることが証明され、大成功だった。
犬の死後、そのインプラントを調べてみると、100kgの力で引っ張っても抜けず、インプラントの周りには100万分の1mm近くまで骨が入り込んでいました。
こうして、チタン製のインプラントの有効性が動物実験により実証されたのでした。
tannodentaln at 22:43│トラックバック(0)
2007年05月04日
オッセオインテグレーションの発見
こんにちは、栃木県小山市丹野歯科医院 丹野努です。
皆さんは、ブローネマルクというインプラントがあるのをご存知ですか?
その名前の由来になったブローネマルク博士こそ、チタンが骨と結合することを発見した人物なのです。
ブローネマルク博士はスウェーデンの整形外科医でした。
ブローネマルク博士は、大学で骨の治癒の原理を勉強し、骨折した骨がどうして再びくっつくのかの動物実験を数多くしていました。
その多くの動物実験の中で、骨の中の微小血流を計る実験がありました。
それは生きた状態のウサギの骨に、金属でできた小さな顕微鏡を埋め込むというものでした。その顕微鏡には、それまで様々な金属が使われていましたが、たまたまチタン製の顕微鏡を埋め込むことになりました。
いつも通り、実験が終わり高価なチタン製の顕微鏡をウサギの骨から取り出そうとしたところ、他の金属とは違い、骨とくっついて離れなかったのです。
博士は、この現象に興味を覚え骨とチタンの境目を顕微鏡で除いて見たところ、骨とチタンが完全に結合しているという現象を発見したのです。
博士はこの現象を「オッセオ(骨)インテグレーション(一体化)」と名付けました。このオッセオインテグレーションがあるからこそ、現在のインプラント治療が存在すると言っても過言ではありません。
皆さんは、ブローネマルクというインプラントがあるのをご存知ですか?
その名前の由来になったブローネマルク博士こそ、チタンが骨と結合することを発見した人物なのです。
ブローネマルク博士はスウェーデンの整形外科医でした。
ブローネマルク博士は、大学で骨の治癒の原理を勉強し、骨折した骨がどうして再びくっつくのかの動物実験を数多くしていました。
その多くの動物実験の中で、骨の中の微小血流を計る実験がありました。
それは生きた状態のウサギの骨に、金属でできた小さな顕微鏡を埋め込むというものでした。その顕微鏡には、それまで様々な金属が使われていましたが、たまたまチタン製の顕微鏡を埋め込むことになりました。
いつも通り、実験が終わり高価なチタン製の顕微鏡をウサギの骨から取り出そうとしたところ、他の金属とは違い、骨とくっついて離れなかったのです。
博士は、この現象に興味を覚え骨とチタンの境目を顕微鏡で除いて見たところ、骨とチタンが完全に結合しているという現象を発見したのです。
博士はこの現象を「オッセオ(骨)インテグレーション(一体化)」と名付けました。このオッセオインテグレーションがあるからこそ、現在のインプラント治療が存在すると言っても過言ではありません。
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